事例:辰巳化学株式会社様

3極GMP・PIC/S GMPに準拠した
高品質・高効率生産工場

今後見込まれるジェネリック医薬品の受託製造増加を視野に、生産品種・生産量の多様なニーズに柔軟に対応できる工場を、ハード・ソフトの両面について品質管理と生産性向上の観点から検討し、構築しました。

facility
辰巳化学 松任第一工場 P号棟(石川県白山市)

製造品目 内服固形製剤
生産能力 20億錠/年(フル稼働時)
工場概要 RC構造3F建 延建築面積 9,924㎡
3F:調製、整粒、打錠、フィルムコーティング
2F:洗浄、秤量、混合、検査、サンプリング
1F:PTP、バラ充填包装

ご検討の背景

辰巳化学様では、既存工場(G号棟、M号棟)で自社製品・受託製品の需要拡大に伴う生産体制拡張を続けてきましたが、このままでは今後のジェネリック医薬品の需要拡大に追随し切れないと判断し、新たな製剤工場の建設を決定しました。

主な課題

  1. 3極GMP、PIC/S GMPに準拠した施設
    • バリデーションドキュメント体制の確立
  2. 多品目同時生産
    • 交叉汚染対策:更衣基準の見直し、室間差圧の設定
    • 効率の高い原材料・中間品・製品の物流システムの導入
    • 効果的な防虫・防鼠対策
    • 間仕切り変更、生産機器変更のフレキシビリティ
  3. 見学者通路の確保
    • 地元住民などの見学受入れも想定し、過剰な更衣を回避したい。
  4. メンテナンス性
    • 保守作業が製造に与える影響を最小限にしたい。
  5. 短工期対応

平原エンジニアリングサービスからのご提案・実施内容

  1. 交叉汚染防止、異物汚染防止
    • 飛散しやすい粉体原料を扱う秤量室に専用の更衣室を設け、作業員による粉体の同伴持ち出し防止を図りました。
    • クリーン廊下、中間品倉庫の室圧を最陽圧とし、クリーン廊下、中間品倉庫への粉体流入を抑制しました。
    • 工程室とクリーン廊下間、工程室と中間品倉庫間に前室・PRを設けることで、工程室から粉体がクリーン廊下や中間品倉庫に流入することを防止しました。
    • 入出荷室と荷捌室間に外装除塵装置とPRを設置し、外部からの異物持ち込みや、虫の侵入を防止しました。
  2. 自動化と省力化の最適化
    • 製品・原料材料・中間品の工程間移動を、上下移動にはスタッカークレーンによる自動搬送システムを採用、フロア内の平面移動や仕込み操作では人手作業とし、品目や製造方法の変更にフレキシブルに対応できるようにした。
    • 1パレットに複数の原料や仕掛品を相積みした状態で格納・管理できるシステムの構築を行いました。
    • 目標とする最大生産量までの原材料・中間品・製品のシミュレーションを行い、適正パレット数・保管棚数を最適化すると同時に、パレット呼出回数削減や待ち時間短縮などの作業性向上を実現しました。
  3. 特別な更衣不要な見学者通路
    • 中間品倉庫を中心に各工程室を配し、その外周に工程廊下、さらにそれを囲むように一般廊下や機械室を配置したレイアウトとしました。最外周の一般廊下・機械室から工程廊下を挟んだ工程室内が見えるよう窓を配し、見学者は特別な更衣をしなくても、窓越しに製造工程が見学できるようにしました。
  4. 天井歩行パネルの採用
    • 天井歩行パネルを採用したことにより、天井裏の工事と室内側(天井下)の工事の同時進行が可能となり、大幅な工期短縮を図ることができました。高い作業性により無駄な工数の投入を抑制し、またキャットウォークなどが不要なため作業空間に余裕が生まれ、作業の安全性を高めることができました。
    • 天井裏を自由に歩行できることで、照明器具交換、フィルタユニット管理や空調制御機器調整などのメンテナンス作業をクリーンルーム内に入ることなく天井内から容易に行えます
    • 生産量や生産機器の変更に伴う部屋の間仕切りやレイアウト変更が容易にできます。機器配置変更など改修工事も天井内のダクト・配管・配線へのアクセスが容易で高い作業性を確保できます。

    image1
    従来工法(軽量天井下地、石膏ボード、化粧ケイカル)

    image2
    歩行天井パネル工法・・・天井材に歩行可能な断熱パネルを採用、メンテナンス性を向上

  5. バリデーションドキュメント体系の確立
    • URS、VMP、DQの作成、品質リスクアセスメント(QRA)、インパクトアセスメント、高度なデザインレビューの計画・各設備/機器への展開・報告書作成の指導、IQ/OQ作成支援・PQ支援を行い、最近の査察で指摘されることの多い、バリデーションドキュメント体系の一貫性を確固たるものとしました。

プロジェクトの成果

 3極GMP、PIC/S GMPに準拠した新工場を構築したことで、今後需要拡大が予想されるジェネリック医薬品に対して、委託元の要求する品質・安全面に応えられる製品を生産することができるようになりました。
また、従業員(製造、保守)の作業環境を意識した施設ともなり、作業性・作業効率の向上を図ることができました。
委託元関係者はもとより、地元の小中学校はじめ、地域住民方々の工場見学受入も可能となり、“辰巳化学”や“医薬品”への認知・理解を拡げるための機会の創出ができました。

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