既存工場のPIC/S GMP対応に向けて!
今回の対象工場は、多品目の固形製剤の受託製造をメインに行っていた。
委託元や県薬務課の査察時に指摘を受けたが、果たしてどの程度の対策をしたら良いのか?
指摘事項の他にも、隠れた不適合箇所があるのではないか?
お客様社内での検討が堂々巡りとなり、HESにGMP設備診断のご依頼を頂いた。
GMP設備診断を実施したことで、既設工場の問題点をその理由とともに把握することができ、HESの根拠のある改善提案をもとに、段階を踏んだ現実的な改修計画が立案できた。
GMP設備診断の結果(現状の問題点)
お客様へのヒアリング、現場の確認、図面・文書の確認を行い、次のような問題点が確認できた。
問題点1. 室圧分布・気流分布 - 各工程室と廊下の差圧・気流
- 製造室廊下へ粉体が飛散・流出している。
- 差圧ダンパー調整不良
問題点2. 粉体の同伴・交叉汚染 - 粉体を扱う工程室
- 前作業時の粉体が残留・堆積している。
問題点3. 環境モニタリング - 工程室の温湿度モニタリング
- 温湿度記録計の設置箇所が部屋の代表点であることが検証されていない。
- 環境測定機器の前回校正日、校正有効期限の表示がない。
問題点4. 製薬用水設備 - RO膜
- RO膜前段に活性炭フィルター設置されているが、熱殺等されていない。(菌の温床)
問題点5. 空調設備 - 温湿度制御・HEPA
- 冷熱源能力が不足している。(夏季の室温上昇)
- 冬季の加湿がない。(静電気発生)
- 工場出荷時のスキャンテスト合格の記録が見当たらない。
- 定期的リーク試験の実施と合格の記録が見当たらない。
- HEPA給気口のフェイスが焼付鋼板であり錆が発生している。
問題点6. 圧縮空気設備 - 油分・露点温度・異物管理
- コンプレッサー仕様がオイルフリータイプでない
- オイルセパレートフィルターが設置されているが、二次側にオイルミストが漏出している。
- 冷凍式ドライヤーは、大気圧下露点温度-17℃
問題点7. 建築/建築設備 - 埃だまり
- 目線より高い位置・手の届かない位置に、埃だまり、粉だまりが見られた。
- 室内直置き機器の足元に錆び発生していた。
- 壁吸込み口の前にモノが置いてあった。
診断結果に対するアクション
GMP設備診断で浮き彫りになった問題点(前記)に対して、お客様の施設状態に合わせた改善提案を行った。PIC/S GMPや最新レギュレーション等と照合し、対策の緊急度、重要度をランク分けし、お客様が改善計画を立てやすいように、問題点とその根拠、改善提案とその理由を提案書として提出した。
GMP設備診断なら平原エンジニアリングサービス
お客様が、今使用している施設には、お客様の個性(特徴)がそれぞれにあります。そして、お客様に『求められる施設』は、取り扱う製品、製造数量、品目数などにより異なります。HESは、お客様の個性に寄り添い、継続的な医薬品生産のために『求められる施設』作りの第一歩を“GMP設備診断”でお手伝いします。

医薬品製造施設の建設から運用まで、
建築・設備・プロセルの「現場経験」が豊富なエンジニアが集結。
当社は「製薬品製造施設の建設・維持」を支援するエンジニアリング会社です。
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