GMPの基礎知識:目的や対象、その基本理念とは?

医薬品業界で覚えるべき基礎知識「GMP」とは

GMPは「Good Manufacturing Practice」の頭文字をとった略称です。

厚生労働省の省令では、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理に関する基準」と表現され、医薬品を製造するための要件を指しています。少しかみ砕いた言い方をすると「良い医薬品を作るために守るべき基準」とも言い換えることができます。

これは、医薬品の製造に関わる従業員の義務、使用される設備、原材料や製品の管理、取扱方法、製造の実施方法、製造記録の管理などについて関連法規の中で規定しているもので、誰がいつ製造しても、製造される医薬品が、常に安全で一定の品質を保つことができるよう、原材料の入荷から製品の出荷までの過程において、適切な管理を実施することを求めています。

では適切な管理のための規範というものが医薬品関連規制のなかでどのように表現がされているか、簡単に内容を見ていきます。

GMPソフトとGMPハード

ここで先に覚えておかなければならないのは、GMPは『GMPハード』と『GMPソフト』の2つの大きな柱から成り立っているということです。

まずそのひとつであるGMPソフトについて取り上げます。

いわゆるGMP省令と呼ばれる「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則の中で、製造管理・品質管理の組織・責任体制の整備、製造・試験検査手順の文書の整備、バリデーションの実施など、施設の運用・運営面といったソフトウェア、あるいはルールの整備についての規定をしており、これらをGMPソフトと呼びます。

具体的には、GMP省令に「製造手順書を整備すること」のように、薬の作り方のマニュアルをきちんと文書化しなさい、であるとか「責任体制を文書化し、作業員に周知すること」というような、医薬品工場においてそれぞれの作業員、管理者がどのような指示系統で製造を行うか、などのルールを明確に策定しなさい、という内容が記載されています。

GMPの2本柱のもうひとつであるGMPハードについての要件を説明します。

「薬局等構造設備規則」や「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」の中で医薬品製造所の構造設備、すなわち建屋、空調設備、電気設備、生産機器などのハードウェア全般の整備について規定しており、これらをGMPハードと呼びます。

GMP省令の中では「照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること」であるとか「天井、壁及び床の表面は、消毒液等による噴霧洗浄に耐えるものであること」など、定められた品質の医薬品を作るための製造所の設備・環境について指針が記述されています。

GMPの基本理念(GMPの三原則)

次に、前項で述べたGMPソフト、ハードの整備の基本理念となるGMPの三原則について説明します。

  1. 人為的ミスの防止
  2. 医薬品の汚染および品質低下の防止
  3. 高い品質を保つ仕組みをつくる

この三原則の起源となっているのは「誰がいつ作業しても、必ず同じ品質・高い品質の製品を作る仕組みを構築しなくてはならない」という思想です。

医薬品製造に関わる者は、いかなる場合にも医薬品を使用する患者及び医薬品を製造する作業者の安全確保を最優先しなくてはなりません。そのためにこの三原則を遵守したハード、ソフトを整備し、製造に携わる従業員ひとりひとりが高い意識を持って業務にあたるよう、日々の業務や教育訓練に取り組む必要があります。

当局からの指摘・査察対応

GMPは、省令上の文章は曖昧な表記でありながら、医薬品製造会社が各々の製品品質を確実に保持するために、そのリスクを把握した製造管理/品質管理を行うことを求めています。よって当局が指摘する事項については、根拠のある説明が必要であり、問題のある個所についてはどのように対処していくか、全体的な見通しを立てて、改善実施計画について査察者へ説明を行っていくことが重要です。

平原エンジニアリングサービスでは、長年にわたり、医薬品製造施設の構築・運用に深く携わってきており、最新のGMPやレギュレーションに対応する設備診断を始め、ハードとソフトを含めたフルパッケージでのコンサルティングとエンジニアリングまで、幅広いご支援を行っております。

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